漢方医学の研究は、本研究所の主たる業務の1つです。特に力を入れているのが、日常よく見られる疾患と、インフルエンザやコロナのような流行性疾患の研究です。 日本TCM研究所では、2009年にインフルエンザがパンデミックになった時に、いち早く中国の後漢代からの文献と、「スペインかぜ」を含む過去の流行を調べ、その当時の状況と比べて報告書を作成し、日本東洋医学会で発表しました。 また、漢方外来を訪れる頻度の高い「頭痛」について、江戸時代からの症例報告を引っ張り出して現在の報告と比較し、重要な処方についての解説をおこない、適切な治療法について論じています。 更に、148種類ある医療用漢方製剤についての過去の文献を、1冊ずつの冊子にまとめて、臨床に応用しやすい形でまとめつつあります。